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法的素養
マンションは、管理規約を中心として、多数のルールや法規が複雑に絡み合うことで成り立っています。
ある程度の法的な素養がなければ、マンション関連で生じる諸問題を解決できるとは到底思えません。
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会計的素養
マンション規模の大小はあるものの、定期に多数の区分所有者が支払う管理費・修繕積立金を取り扱い、管理運営上の経費等を処理し、またこれらの区分経理を実行する者である以上、会計的な素養も当然に求められます。
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修繕・建築に関する素養
建物建築の専門家それ自体ではないにせよ、マンション全般の不具合、故障箇所や修繕箇所の点検・修繕の手配を行い、あるいはこれらの事務を統括する以上、たとえ表面的なものであっても建築に関する知識・素養は一定程度求められるでしょう。
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対応能力
窓口対応を行う際に、極めて大切な能力です。
特に初期における機敏な対応こそ最も大切であり、問題が生じたときに、いたずらに時間を空けてしまえば、一般に人々の不満や不安はより増大することになります。
また、対応の仕方という面においても、相談者の立場に立った物腰の柔らかな対応ができることもまた求められる能力といえるでしょう。
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把握能力
いざ問題点や紛争が生じたというとき、どこに原因がありどういう経緯で現在に至ったか、ということを的確に把握する能力は現場マンションを担当する者の能力として非常に重要となるでしょう。
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処理能力
対応能力にも共通しますが、問題点にはできるだけ速やかにアプローチし処理することが求められます。
これを淡々と卒なくこなせるようになることで、フロントマンとしての実績・評価もより上昇していくことでしょう。
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手配能力
物資の調達や工事の実施等の手配が求められる場面では、所属会社の取引先等を中心に手持ちデータ・周辺情報を駆使しつつ、多くの選択肢の中からよりスピーディかつ合理的な方法を選ぶことが求められるでしょう。
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補助・サポート能力
管理組合や居住者等に何らかのサポートが必要になる場面では、それに対応した有用な方法をチョイスし、効果的なサポートができる能力が備わっていれば、まさにフロントマンには適した人材といえるでしょう。
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折衝・調整能力
問題発生場面では各方面への折衝・調整が求められることになります。
管理会社、管理組合、居住者はもちろん、近隣住民、自治会、官公署等といった多方面で折衝・調整を行い、問題解決に向かう能力はフロントマンとしては最も大切な能力の一つであると考えられます。
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解決能力
折衝・調整能力の延長として、最終的には問題を解決に導く力が求められます。
また、この問題解決に至るプロセスでは決して独断・独善に陥らずに、管理会社・管理組合等の各方面への随時の状況報告や連絡、指示を仰ぐといった適宜の行動を欠かさないこともまた重要となります。
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決断力
問題解決に導く過程では、いくつかの選択肢から効果的な方法を選び決断を下す役割が求められる場面もあるでしょう。
こうした際に決断力を備えていることで周囲の信頼は高まり、選択した結果に対する不平・不満も生じにくくなるといえるでしょう。
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指導力
管理員を指導する際のマネジメント能力、あるいは管理会社の部下や新人を育成する能力、受注業者・下請け業者への指示等を的確に遂行できる能力はフロントマンには必須です。
こうした場面に必要な能力を一括りにするとすれば、あらゆる場面での指導力が求められているといえるでしょう。