管理に疑問?を感じたら

管理会社変更を御検討の方へ

これまで、「リプレイス」という言葉をお聞きになったことはございませんか。
現マンション管理業者にとっては極めて耳障りの悪い言葉かもしれませんが、本タイトルの通り管理会社を変更することを一般に示す用語です。
現在の管理状態を見直し新しい管理方法を求める、ということ自体は決して悪い試みではありません。
従来のマンション管理のクオリティが低く、それにもかかわらずコストが高いなどという典型的な状態であれば、むしろリプレイス一択というのが進むべき道なのかもしれません。
しかし、私自身はこの変更ありきで管理方法の見直しを行うという会議体の流れには基本的には慎重であるべきと考えています。
なぜなら、このような着眼点で従来の管理を考察してしまえば、これまでの管理方法の中で悪かった部分ばかりに目が行ってしまい、良好であった部分を評価する機会も奪われかねないからです。

人の行う行為全般に百点満点のスコアを付与することは、通常容易ではありません。
むしろ、良いところもあれば悪いところもある、というのが実情ではないでしょうか。
要は、その良い点・悪い点をきちんと洗い出し整理を行った上で、求めるクオリティを得るために何が改善されるべきなのか、という分析が十分かどうかに尽きるのです。
この改善が不可能あるいは見込みがないという結論に至って初めて管理会社変更を視野に入れて会議を進めても決して遅くはないでしょう。
私が直接体験した場合はもちろん話に聞いたケースも含め、リプレイスを行ったものの、後で「変えない方が良かった…」という事例はザラにあります。
たとえば、①居住者と良好なコミュニケーションを築いていた管理員さんやフロントマンが変わってしまった、②きちんとした管理の履歴が引き継がれずに大混乱に陥った、③残存していたアフターサービスが丸ごと消えてしまい管理組合に多大な負担が生じた等々、リプレイスにも問題点が生じ得ることも決して見逃せません。
逆に、きちんとした比較検討や問題点の洗い直しのプロセスを踏まえた上で、そのマンション全体が求める管理に前進しながら、なおかつコストも削減できる等といった成果が見込まれるのであれば、リプレイスはそのマンションの管理全体にとっての一つの転換点になることは間違いないでしょう。

自主管理ってどんな具合?

「うちのマンションは自主管理だから…」というセリフを耳にされたことがある方も多いかと思います。
最新の調査結果でみると、実に7%弱もの分譲マンションが自主管理により維持されているようです。
ここに自主管理とは、マンションの管理業務の「全部」または「一部」を管理会社に委託することなく、管理組合を中心とした住民自らの手で管理を行う方式をいいます。
この自主管理のメリットは、何といっても管理業務に関するコストが大幅に削減できる、という点に尽きるでしょう。
あの月額管理費を大幅に削減できるとしたら…どれだけ個々の家計的にも負担減となるかは言うまでもないでしょう。
しかし、この自主管理という管理方式のメリットばかりに目を奪われることは得策とはいえません。
その最大の理由は、むしろ管理が不十分になることにより資産価値の低下をもたらしかねない、という点にあります。
これを考える手掛かりとなるキーワードは、①専門性、②中立性、③継続性、にあると私は考えます。
以下、順にみて参りましょう。

まず、①専門性についてですが、マンションの管理業務は一般に広範多岐にわたり、専門的な知識が必要になるケースも多々あります。
特に、標準管理規約で法定される17個の項目は、共用部分の保守修繕、長期修繕計画の作成・変更、修繕積立金や管理費等の区分経理等も含め、大部分で専門的な知識や素養を必要とします。
これらを管理組合という基本定期に集まるだけの住民の会議体にて処理することは、大きな負担を生じさせかねません。
次に、②中立性について、管理組合の理事や個々の組合員間の関係が必ずしも良好でないという場合、管理業務を実施する上で、より公平・中立的な立場からの管理遂行の徹底が求められるケースもあるでしょう。
さらに、③継続性について、管理組合の事務を主体的に担う理事長や理事のメンバーは任期満了になれば新しい人に代わることになりますが、これまでの管理手法が必ずしも維持されずに、毎回場当たり的な管理手法が採られることで、返って管理が不安定に陥るというリスクも生じかねません。
このように考えると、管理組合を中心とした自主管理は必ずしもコスト削減の最大メリットを得られるだけ、というわけには行かず、むしろ「船頭多くして船山に登る」とか「会議は踊る」などといった弊害もまた想定されなければなりません。
管理会社に必ずしも依存しないという精神はそれ自体極めて大切なことですが、マンションにとって最善の管理体制を志向するとしたら、自主管理をベースに専門家を活用する方法や、一部委託管理のオプションを積み重ねていくという方法もまたお勧めといえるでしょう。

管理組合の皆さまへ

これまでの2つのタイトルを通じご紹介させていただきましたように、当社の基本的なスタンスといたしましては、①管理会社変更ありきでは管理の見直しはお勧めしない、②完全な自主管理よりも、個々のマンションの特性を踏まえた一部委託の管理や専門家の設置を推奨する、という二つを軸に据えた提案をさせていただいております。
ただ、マンション管理にも絶対の正解が存在しない以上、現在の管理組合様がどのような管理を求め、また将来マンションをどういう方向に導きたいと考えているかは、一番大切なポイントとなります。
当社では基本的にこのような方向性を把握しつつ、皆様方が志向する管理に近づけるためその都度のヒアリングを重視いたしております。
このヒアリング作業につき時間を掛けて慎重に行うことで、そのマンションの特性、これまでの管理の経緯と現在の管理形態、目指すべき方向性がじわじわと見えてくるからです。
こうしたオーダーメイドの管理の模索は、非効率あるいは無意味ではないかとの批判や謗りは免れないでしょうが、あえて当社の企業理念・特性として維持・貫徹いたしております。

当社の考えでは、「分譲マンションの管理などは、人類の長い歴史からみれば未だ半世紀ほどしか積み重ねられていない取組みであり、まだまだ今後の人々の経験が積み重なり進化・発展すべきテーマである」と捉え、この時点で機械的・効率的な管理などを措定すること自体ナンセンスではないかという認識でおります。
人が集まって住む場所だからこそ、困難もあり喜びもあり、そこには戸建住宅には存在しない別の魅力もある、という考え方をもとに、どんな管理方法が良いのかを共に模索していきたい…これが当社の基本的な理念です。
管理組合の皆様とも同じような考え方が共有できれば、今後ご一緒に考え取り組ませていただきたい、と願っております。

居住組合員の皆さまへ

お住まいを続けていく中では、ときには管理体制や内容に疑問や不満が生じる場合もあるかもしれません。
そんなときに、これらの疑問点や不満を解消するための方法・手段をすでに備えていらっしゃいますか。
これは、快適な居住環境を確保する上ではとても大切な視点となります。
確かに、集団という居住形態の中では、一定の制限もあり我慢しなければならない側面も多々あるでしょうが、それは必ずしも居住者が望む解決を図れずにストレスを溜めることを強いるものではありません。
また、個々の組合員が何か疑問や不満を叫んだところで決定するのは結局管理組合だから…という諦めに近い認識も正しい考え方とはいえません。
なぜなら、居住する各々の組合員こそ居住環境・資産価値の維持向上を図る最前線に立っているはずだからです。

この点で、居住者が管理体制に何らかの問題提起を行うことは、管理運営の正常化を図る第一歩となります。
確かに、意思決定機関は管理組合であり、そこで大半の事柄が決められるシステムになっていますが、これは個々の区分所有者(組合員)の総体として組織された…集団、つまり組合員一人一人のための集合体なのです。
こう考えれば、個々の管理に感じる疑問や不満、あるいは不安を常に心に溜め込んで置く道理はありません。
それらの疑問や不満が合理的なものである限り、必ずや解決に導かれるべき事柄であるはずです。
まずは、懇意にされている理事や他の居住組合員の方でも、より身近な方に御相談されてみてください。
その発端となる疑問や不満等が居住者全体にとっての有益な問題提起となり、これが一つの流れとなって、それを契機にマンション全体の居住環境の改善・向上につながる、ということも十分あり得ることでしょう。

投資家オーナーの皆さまへ

投資家オーナー様のご相談で良く感じることは、居住環境の向上にはほとんど関心をお持ちでないという点です。もちろん、賃貸目的で取得し御自分ではお住まいになられない以上、これはある意味自然なことかもしれません。
昨今、懸念されるマンションのスラム化・廃墟化に至る兆候として、「賃貸化の進行」という現象が挙げられます。
これは、専ら賃貸を行う区分所有者で居住環境に無関心な方の割合が増え、マンションがやがて管理不全に陥るという図式で語られています。

しかし、自身は居住しないというオーナーにとっても、居住環境が悪化すれば建物は徐々に荒廃し、当初期待した利回りが実現できなくなり、売却価格すらも低下するのですから、結局は損失を被ることに変わりありません。
こうした資産価値の維持・向上という面からも、マンション管理は極めて重要な役割を担うと断言できます。
もし、お手持ちのマンションの管理組合が機能していない…きちんとした管理運営がなされていない…このままでは資産価値が低下する…等の不安や疑問などございましたら、いつでも弊社にお問い合わせ下さい。
速やかな調査・情報収集の上、直ちにそのマンションに適した管理体制を構築する方法等をご提案させていただきます。
このような管理体制を構築することで、投資家オーナー様にとっても何よりの資産価値の維持・向上につながることになるでしょう。

マンションを購入される方へ

マンションの購入を決めるとき、通常は「価格はいくらか」「立地はどうか」「広さや間取り」といった要素が検討の中心になるかと思います。
これらの事柄は、買い求め易さ、居住し易さに直接関わる「目に見える事柄」だからです。
そして逆に、「目に見えない事柄」としてもっとも意識しなければならない重要な要素、それが「管理」といえるでしょう。
これからマンションを購入しあるいは現在購入の検討中という方は、その検討に際して、どんな会社によるどんな管理がなされているか、という点に少しでも意識を向けるようにしてください。
管理規約をよく読む、販売業者に詳細・評価を尋ねる…どんな方法でも構いません。
とにかく、購入しようとするマンションはどんな管理運営がなされているか、という点に関心を持ち、十分に納得した上で判断するよう心掛けてください。
また、管理費・修繕積立金の金額にも注意を払い、将来の負担額等じっくり考慮して購入をご検討ください。
管理は一生の買い物、そして決して安くはない買い物です。
住宅ローンによる本体の購入代金はいつか支払いを終える日が来るでしょうが、管理費等はそうはいきません。
「マンションを所有し続ける間はずっと払い続けるお金」であることを十分に認識されてのご決断となることを強く願っています。